2020年10月1日時点のデータは
総人口 1億2600万人 男 6100万人 女 6500万人
現役人口 7500万人
高齢人口 3600万人
高齢化率、28.8%。
21%を超えている社会を超高齢化社会というから、さしづめ日本は、「異次元の超高齢化社会」というのだろう。
現役世代2人が高齢者1人を支える「騎馬戦型社会」が到来している。いずれ、ひとりがひとりを支える「肩車型社会」に。
本川裕 統計探偵は 高齢化の現状などをどのようにみるのであろうか。
「なぜ、 男子は突然、草食化したのか」( 著者 本川裕 )の中から。
1945年敗戦の時の人口は、7200万人。ちなみに明治維新の時は、推定で、3300万人。
ピークが2008年の1億2808万人。そこから減少が続き、2020年1億2600万人。
明治維新の近代以降、人口は爆発的に増えた。
高齢化率は日本が27.7%で世界一高く、日本に次いで高いヨーロッパのイタリア、ポルトガル、ドイツのそれぞれ23.0%、21.5%、21.5%を大きく上回っている。
世界で最も高齢化率が低いのはアラブ首長国連邦であり、値は1.1%である。100人に1人しか65歳以上の国民がいないのである。
日本が直面している高齢化の状況は、誰も経験したことがない。
高度経済成長の時代を経て、栄養状態と衛生状態のさらなる改善、医療の制度的・技術的進歩、生活環境の安全化などが劇的に進み、平均寿命の伸びとともに、乳幼児の死亡が減少し、そして、若い年代で死ぬ者が激減した。
乳児死亡は1960年になって、やっと、高齢死亡のピークを下回った。
高齢層の死亡については、ピーク年齢自体が70代前半から80代後半へと高齢化するとともに、ピーク年齢前後にますます死亡が集中してきている。今や、80代後半前後に亡くなるのが当り前の世の中となった。
「身近の死」を感じる風景が変わったのは、1960年頃ということになろう。それまでは、赤ちゃんがなくなったり、若い人がなくなる風景をよく見たということだ。
2021年と1960年の
「年令階層別の死因別死亡者数構成比」
2021年のデータ、少なくなった幼児期の死は小児がんや種々の小児疾患が多く、やはりかつてと比べて非常に少なくなった青年期の死亡の死因としては自殺が多くなっている。
中高年期に入ると年とともに、がん、心疾患、脳血管疾患という三大成人病によって死ぬものが増えていく。
ところが、65~69才の時期を境に、心疾患や脳血管疾患は相変わらず多いままであるのに対して、がんの割合は減少に転じる。その一方で、肺炎(誤嚥(ごえん)性肺炎を含む)や老衰が年齢とともに増加する。
一番死亡数が多い85~90才以降は、これらのいずれかで死ぬ確率がほぼ同等となる。また、これらほどではないが腎不全や転倒などの不慮の事故で死ぬ場合も一定程度ある。
1960年のデータ、幼児期から青年期にかけて、今ほど自殺の割合は高くなく、肺炎や結核といった感染症による死亡が戦後すぐほどではないがなお多く、また川遊びで溺れ死ぬといった不慮の事故、あるいは無茶な運転による交通事故死などが多かった。
中高年から高齢期には、今よりがんの割合は小さく、心疾患や特に脳血管疾患の割合が大きかった。
「高齢死社会」と「高齢死への集中の時代」。
街を歩けば、年配の方の姿が目立つ。周りに住んでいる人を見ると、高齢世帯が多い。しかも、元気な独り暮らしの人が多い。朝と夕は高齢福祉施設のワゴン車が走り回っている。
高齢者の元気が社会の元気につながる。数も多くなるので当然のことだろう。